なんじゃそりゃ？アリバイ会社というものが存在している噂

ひと昔前の刑事ドラマでは（今の刑事ドラマでも使われているとは思いますが、昔のほうが頻繁だった印象です）、「アリバイ工作」というキーワードがよく使われていました。要するに、「特定の期間や時間に、どこの場所に居たか（または会社や勤め先などに在籍したか）を証明するもの」として、刑事ドラマであれば、主に殺人事件の推定死亡時刻前後について、被疑者の行動を特定するために使われていました。これが、今は全然別の理由でつかわれたり、そのアリバイを立証するために、危ない手段をとる事業会社、通称「アリバイ会社」なるものが存在しているようです。

実際ネットで「アリバイ会社」で検索すると、思いのほかたくさんの記事がヒットします。ウィキペディアによると、「ペーパーカンパニーを使って、その会社に勤務しているように装うサービスを専門に供給している会社」、という意味のことが書かれています。２０１０年頃には、このサービスが詐欺事件に発展するようなこともあったようなのですが、そもそもどういった層に訴求しているかというと、どうやらこのサービス、風俗関係や金融関係（それに不動産関係）でニーズがあるようなのです。親バレ、身バレを恐れる風俗嬢や、多重債務を抱えてにっちもさっちもいかなくなったような人に対して、この「アリバイ会社」という、よく知られていないジャンルの業態を名乗る方々が、アプローチしているようです。

そもそも「アリバイ」という言葉の意味は、先ほどお話したように、「犯罪がおこなわれた際に、その現場以外の場所にいたという証明」、という意味を持っています。ということは、もとから犯罪行為があったという前提で、事実関係を証明するためのアクションを指している、といえます。こうした事情から、先にお話したような「ニーズの出処」を考えてみると、
・風俗関係の方が、風俗で働いていることがバレるのを避けるために使う
・多重債務者が、さらにお金を工面しようとして、金融関係の元締めにバレるのを避けるために使う
・そもそも犯罪を犯した人が、警察にバレるのを避けるために使う
という、非常にヤバい領域に踏み込んだアプローチであることが透けて見えてきます。

こうして考えてみると、アリバイ会社というものは、はなから「なんじゃそりゃ？」、という要素を多分に含んだ存在であることが容易に想像されますし、そういった状況に陥ることを避けることのほうが先決であるように思えてきます。とはいえ、既に「アリバイ会社を使いたいな」、という状況になってしまっていた場合には、シンプルに考えて、もう少しリスクの少ない解決手段を考えたほうが良さそうです。

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